正直に言うと、
「もう後がないな」と思っていた。
仕事も決まらない。
動いているつもりでも、結果が出ない。
少しずつ焦りだけが積み重なっていく。
そんなタイミングだった。
—
その電話は、いつもなら出ないはずだった。
登録されていない番号。
普段なら無視するか、後で調べるだけ。
でもその日は、なぜか普通に出た。
—
相手は、ずいぶん前に登録だけしていた派遣会社。
正直、存在すら少し忘れていた。
「お仕事のご紹介なんですが…」
よくある流れのはずなのに、
その時はちゃんと話を聞いていた。
—
紹介された仕事は、昔やったことがある職種だった。
ただ、その頃はあまり良い印象がなくて、
自分の中では“ちょっと避けていた仕事”。
だから本来なら、
「それはちょっと…」と断っていたと思う。
—
でも不思議なことに、今回は違った。
話を聞いているうちに、
「今の自分には、むしろ合ってるかもしれない」
そんな感覚が出てきた。
—
気づけば、あれこれ話していた。
仕事内容の確認だけじゃなく、
働き方や過去の経験の話までしていた。
そして自然な流れで、こう言っていた。
「その仕事、紹介お願いします」
—
あの電話に出なかったら、何も変わっていなかったと思う。
避けていた仕事。
でも、タイミングが変われば見え方も変わる。
むしろ、経験がある分だけ
今の自分には現実的な選択だったのかもしれない。
—
「もう後がない」と思った日に、
少しだけ流れが変わった気がした。
登録していただけの派遣会社から突然の連絡
いつもなら出ない電話に、なぜか出た
避けていた仕事が、今は合いそうに感じた
迷いながらも、紹介をお願いした
もう後がないと思った日に、電話が鳴った
